Report
 創刊号から読んでいただいている方には大体察しが着いてきたと思うが、このレポートは他のドラテク講座とはちょっと違う。もっと以前、超基本、動機付けの段階からお話しさせてもらってる。まどろっこしいから早く”運転の仕方”や”セッティングの仕方”を教えてくれという読者は本屋に行けばいい。その手の話は、まだまだ先か、もしかしたら出てこないかもしれない。手足の動かし方を10年読んでもちっとも速くならないよ。だって、指を動かす順番とタイミングを何べん読んでも上手にピアノ弾けるわけじゃないでしょ。

 さて、本題。ジムカーナは2本で勝敗を決しなければいけない。これを少ないと思うか、多いと思うか。少ないと思う人は、君のジムカーナには課題が山積みだと思わなければならない。丁度よいと思う人はもうちょっとがんばろう。多いと思う人(1本勝負で充分!)はこのレポートを読む必要はありません。少ないと思うひとが大半だと思い、このテーマタイトルにした。
練習に行って午前のコースを4本走行、午後のコースを4本走行した場合、今日の練習は本当に役に立ったと満足できただろうか。「あー楽しかった」とは別の話だよ。「昨日よりもまたうまくなった」と感じるには、4本づつじゃ物足りないはずだ。なんとなくコースの攻略法がわかった時点で終了。その日の練習でライバルに負けると、最後の1本は前半イイ調子で走ってたのにあそこで失敗しなければ、、、なんてね。4本も走っておいてそんな調子じゃ本番は目も当てられない。では1日10本同じコースを誰にも教えてもらわずセッティングも変えず走ったとしよう。1本目と10本目のタイム差はどれくらいあるだろうか。3秒とか4秒ぐらいかな。これぐらいタイムがあがると満足感があるかもしれない。しかし、このタイムアップが今日の練習の成果などと思ったら大きな勘違いなのである。君はもともと10本目のタイムを出すだけのドライビングテクニックがあるのにもかかわらず、それが1、2本目で発揮できなかっただけなのだ。けっしてうまくなったからではない。コースを見極めただけ、コースに慣れただけなのだ。それが証拠に、翌月まったく違うコースを同じように10本走ったとしよう。1本目と10本目のタイム差は相変わらず3秒なのである。1本目の実力発揮度数はぜんぜん進歩していないことになる。そして本番でのライバルとのタイム差も永遠に少なくなることはない。

よりうまい選手は、実力どおりのタイムを出すタイミングが早いのである。練習では2本目以降のタイムアップが極めて少ない。場合によっては、1本目のタイムを1日中更新することができないこともある。これは一見進歩がない様に思うかもしれないが、実は1本目の実力発揮度数が高いだけなのである。1本目からそのコースを見極め、その車のポテンシャルを最大限引き出すのだから、今日4秒もタイムアップした君は本番でかなうわけがない。仮に君が10本目にその人の1本目のタイムを抜かして気持ちよく練習を終えたとしても、本番で笑うのは彼のほうなのである。

では、どうすれば初めて走るコースで1本目でベストな走りができるのだろう。ヒントは、「コースを見極めず、車を見極めろ」???わかりにくいだろうが後々このレポートで解明していく。
とりあえず、今日から具体的にやるべき君の行動は、
・練習頻度を極力密にする。毎月→毎週→毎日
・同じコースを繰り返し練習する。短くてもいい、1コのコーナーでもいい。
そして、実力を十分発揮してからが本当の練習のスタートなのだ。

本番はたった2本しか走れない、2本のどちらかで君が持つ最高のパフォーマンスを発揮しなくちゃいけないのである。練習でタイムアップしないことを目標にしてみよう。それができたらいよいよ師匠の登場となる。

私は本番が終わったあと、あと1本走れればライバルに勝てたのになどと思ったことを過去何年間も続けた。それが最近やっと、たまに、あと10本走ってもあのライバルのタイムは出せない、と思えるようになったのである。そんなときは自分で満足のいく走りができたわけだから負けてもすがすがしいものだ。
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4 「たった2本の難しさ」 2003年5月20日