Report
 練習会やビギナーイベントでは、まだまだ多種多様な車が集まって、それぞれのドライビングを楽しんでいます。私が初めてジムカーナに参加したポテンザカップもAE86全盛のころにマーク2やピアッツァやフェアレディーや実に多くの車種が並んでいましたし、私もそんな中サニーで参加しました。ところが上級イベントになるほど車種は限られてきます。現在ではご存知の通り各クラス1〜3種類ぐらいですね。この車種じゃないと勝てないから面白くない、というのがおおかたの理由ではないでしょうか。なぜならその車種にはもともと素性のいいスペックが備わっているんですね。

 速い車の要素としては
@エンジン特性とブレーキ特性に優れている
A車重が軽い
Bタイヤや足回りも含めた接地性能が高い
つまり力があって軽くて重心が地面に対して滑りにくい、物理的にいうと「強い入力&低い慣性&高い摩擦力」ということが必要条件になります。
@エンジン特性とブレーキ特性に優れている
エンジン特性は最高出力だけでは評価できません。大きなトルクが全回転域で落ち込みがなく高回転まで回るのが扱いやすく有利です。最高出力は200PSオーバーだけどサイドターンの立ち上がりで3000rpmまで落ち込むと軽自動車並みの加速しかしない、なーんてのはジムカーナでは圧倒的に不利です。
ブレーキはパッドやシューの交換である程度のレベルまで性能を引き上げることができます。大切なのは前後の効きのバランスとサイドブレーキがよく効くことです。詳しくはレポート12「セッティングって何?」を読み返してください。
A車重が軽い
軽い車は加速、減速、曲がる、全ての動きで有利に働きます。速度や運動の方向が変化するとき、物質にはその変化をしにくくさせる方向に慣性力という力が加わります。車は急に止まれないし急に曲がれません。これは全て慣性力の仕業です。この慣性力というのは物質の質量に比例します。重い車は止まりにくく曲がりにくく加速しにくいし、その逆の軽い車は素早く止まり曲がり加速できます。常識ですね。
Bタイヤ性能も含めた接地性能が高い
車は地面とタイヤの摩擦力を利用して動きます。その摩擦力が高ければ高いほど素早く止まり曲がり加速することができます。タイヤのグリップ力は明らかにタイムに影響を与えますからタイヤの性能はかなり重要です。また、4輪がしっかりと接地することも重要ですから重心の高さは低く、足回りにはしなやかさが求められます。とはいえコーナーリング中はどうしても内側のタイヤの接地力(荷重)が減ってしまうため駆動力を無駄なく地面に伝えるためのLSDの働きも重要です。

 全ての要素が各々独立して優れていても速くなりますが1要素だけに偏っていてもそれに見合った効果は期待できません。どれか一つが足かせになって他の二つの優位性を殺してしまうこともあります。つまりはバランスをもって総合力を発揮できる必要があります。これは車種の選択にも当てはまることですし、同じ車種でもより速い車にするために必要不可欠なセッティングの重要課題です。そしてそれぞれを究極まで高めた車がF1なんですね。もちろん人間が操作できなきゃ意味ないですよ。

 ジムカーナでもこの3大要素は普遍です。実際多くの選手はこの要素を意識したり、もしくは過去の経験や実績から無意識にこの要素の優れた車を選択しセッティングしています。さらに車両規則はこれら三つの要素にノーマルを基準とした制限を持たせていますから、結局限られた車種とおおかた似たようなセッティングになるんですね。
 ところがトップドライバーの中にはエポックメイキング的な車種を投入してくる場合がしばしば見受けられます。誰も使おうとしなかった車や不利じゃないかと評価されている車にドライバーの優れた感性が可能性を見つけるのです。高いセッティング能力で各要素がバランスよくチューニングされて優れたドライビングテクニックと共に戦闘力に優れた車に変身します。トップドライバーにしか出来ない芸当ですよね。ここで言うトップドライバーとは何も全日本戦で活躍している選手ばかりとは限りません。地方戦やビギナー戦にだってこのような優れた人材は実は潜んでいることを付け加えます。つまり裏を返せば並みのドライバーが短時間、ローコストでよりよい結果を求めるなら、やはりこの要素に優れた当り前の車種をお奨めするということです。つまらない結論を言い放つようですが、これも現実です。

 GA2、EF8、EG6、EK9、DC2、SW20などもともとのポテンシャルも高く比較的ローコストでジムカーナを楽しむことができます♪これから始めてみようかなという方にはお奨めです。いかがですか?
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17 「速い車の3台要素」 2004年8月30日