大会名称 日付 場所 天候 クラス 結果
07全日本ジムカーナ
第1戦
2007年3月17〜18日 名阪スポーツランド ドライ N3 18位

 RX7での全日本ジムカーナ初参戦は苦い経験となってしまった。小さなコーナーの立ち上がりでことごとく置き去りにされ、その絶望的な加速に愕然とした。ターボコントロールの何かが壊れたのである。

 当たり前のことだが、やっぱりみんな速い、巧い。気を抜く隙を与えないのはもちろんのこと、これでどうだ!という自信の走りをあっけなく叩きのめしてくれるのも全日本なのだとN2の時から痛感していた。そして1年ぶりに触れてみて、クラスは違えどやっぱり叩きのめされた。巧く曲がれた、今のは速かった、と思ったカーブも同じクラスの誰かより遅いのである。理解不能の未知の速さ。どうやって?手に入れたい。それを身をもって実感できるのが私が感じる全日本の最大の魅力である。勝ち続ける以外に失うことのない魅力だ。もちろんそれには痛みや疲労もともなう。時にはうんざりすることだってある。でもやっぱり楽しいし、なによりあの人に勝ちたいと思えるのである。

 土曜日の公開練習2本目。最終コーナーのひとつ手前のヘアピンを立ち上がろうとした時、裏切られたかのような鈍重な加速感に唖然とした。なにが起きたのかわからぬまま最終コーナーに向かい、とりあえずゴールはしたもののいやな予感が頭をよぎった。去年のモテギの参戦記にも書いた「2速低回転での軽自動車を思わせるトルクのなさ・・・」、まさにそれだった。その後、エンジンとバキュームユニットとスロットルボディーを交換し、プライマリータービン(低速タービン)から湧き上る太いトルクにRX7の本来の性能を知り、前言を撤回したのは去年の7月のことで、以来テールスライドに遠慮しながらアクセルを踏み込む運転が身に付いた。そんな折、意気揚々と全日本参戦を決意し、その第1戦の前日の最終コーナー手前で悪夢が再来したのである。

 性分だから仕方がないのかもしれない。慌てふためきあがくことを恥じ、楽天的に物事を考える性分は、その土壇場での不測の事態を受け入れず、あろうことか”自分の運転のせい”にした。だから土曜の夜に気にかけるでもなく、なにか策を講じるでもなく、再現確認すらせずにすごした。公開練習のビデオを見てその他の部分を解析し、問題のヘアピンは早めにアクセルを開ければいいや、という程度に考えていた。そして迎えた本番当日、1本目。違和感を覚えながら前半区間のV字コーナーに向い、その立ち上がりで異常を確信したのである。昨日に引き続き再発した絶望的な加速度は、以後の全てのタイトコーナーの立ち上がりで私の望む結果を無残に打ち砕いていった。まさに絶望である。
 昼休みに私が出来ることなどたかが知れていた。周りのアドバイスをもらい盲目的な処置を施し、わずかな期待をつなぎとめてみたものの、結局2本目も同様に打ち砕かれた。私のRX7での全日本初参戦は、走りでの存在感のカケラも残せず終わってしまったのだ。

 帰路に不具合症状は無情にも何度も再現された。ブーストメーターから読み取るに、シーケンシャルツインターボのセカンダリータービンの過給が一度オープンになると、エンジン回転を落としてもクローズドしない、と推測できた。つまりプライマリータービン単独での低速過給が得られないのだ。低速コーナーでの立ち上がりで2個のタービンをゆっくり回し、そよ風をエンジンに送っていたのでは、さすがにライバルに2車身も置いていかれるのも頷ける。不具合が起きる前の公開練習1本目と本番と、同じコーナーを自分の車同士で比較してもそれは明らかで、同じRX7でありながら全く別物だったことがビデオからも判る。異常は明確な事実だった。悩ましきかなRX7。

 少々トラブルの話が長くなってしまったが、心中察していただきたい。とはいえ、高速区間は本来のツインターボの威力を充分発揮していたので、外周区間など他に遜色なく走るべきである。が、冒頭のように必ず誰かが自分より巧く速く走るのが全日本な訳だ。SSPで全日本トップドライバーと一緒に練習し、横に乗ってもらって、「曲げ始めが遅い」と言われたのは半年も前のことだった。土曜日の夜の宿で、公開練習の走行ビデオを解析しながら田辺さんに同じことを言われ、恥ずかしながら今回その意味がようやくわかった。確かに曲がり始めが遅い。車がヨー変化する場所が奥なのである。これは今までのように、路面や景色に対した車の位置を観察する見方では見えてこない。路面や景色を消し去り、車単体を画面に見たとき初めて見えてきた重要な動きだった。これも、がんばって突っ込んだコーナーリングをあっさり抜き返すライバルがいたからこそ、見つけなければならない必要性に迫られた結果だった。吉田選手のS字など他を圧倒する速さに美しさすら感じてしまった。

 シーズオフメンテナンスの仕事に追われ、毎年第一戦を気負いも目標順位も欲もないまま、流されるかのように迎える。この先の手ごたえを感じるためだけの序章のようになってしまうのだが。では今回、N3の初戦で得た手ごたえはいかがなものだったかと言えば、手ごたえ充分だった、とだけ書いておこう。これから一年間、みっちり勉強させてもらいます。とにかく今は車を早く直して、まともな勝負がしたいものだ。

 車の不具合処置についてや、走りについて、アドバイスを下さった沢山の方々には心よりお礼申しあげます。では、これからの一年間、よろしくお願いします♪

                                 



 

参戦記