参戦記
 前日の夜から降り続いた冷たい雨。最悪のコースコンディションのなか繰り広げられた激闘は阿久津アナウンサーの素晴らしい盛り上げと共に実に印象深いものとなった。そして何より、チャンピオン津川選手の徹底的なまでの巧さ、速さをまのあたりにして、勝ってみたい、でもなにをすれば勝てるのかが今はわからなくなった。そのときが自然に訪れるのを待つのが一番いいかもしれない。「自然に」といっても何もしなけりゃ進歩がないから、今まで以上に頭と体を使いますけどね。
(戦いの相手は誰?)
初めて走るこのコースは、道幅が狭く、エスケープも少なく、外側の縁石はないし、内側の縁石は異常に高い。ラインは限られた一筋の線で、それからはみ出ると手痛いしっぺ返しがくる。金曜日から、脱輪が相次ぎ、土曜日は運悪く転倒した車もあった。私も何度かひやひやしたり、壊れたんじゃないかと心配したことがあった。そして本番はヘビーウェットのオマケつき。ははは。
人のタイムを気にしている場合じゃない。目標タイムなんかありゃーしない。ただひたすら自分の思う走りを実行するだけ。戦いの相手は狭いコースと、滑る路面。相棒DC2と一体となってすり抜けすり抜け、最後はゴール光電管のギリギリ横を射止める、という冒険活劇さながらの心境だった。スピン、コースアウトが相次ぐ中、私は2本とも大きくラインを外すことはなかった。1本目は安全運転に徹し(ぬるい走りともいう)、結果トップと2秒差、でも7位。まさにサバイバルゲームですね。もちろん2本目は綱渡りでしたけど、運良く渡りきれました。
(N2クラスの波乱)
1本目トップタイムをブッチギリでたたき出した瀬戸選手は2本目出走前に自分が2位に落ちたのを知ったのかもしれない。そして2本目スタートし中間計測後、次の高速コーナーでコースアウトしてしまった。私はスタート2台目で待機し、競技再開を待った。なんだか喉が渇いてきたので、近くにいた鎌田選手にお願いして飲みかけのお茶を一口分けてもらった(^O^)。これがリラックスできてよかったのかもしれない。そして競技再開。私は3位に食い込み車検場にストックされた。
ラスト3台目の佐川選手の走りを見ないで車検場で待機していると、「佐川選手コースアウト」のアナウンス。後続の津川選手は赤旗再出走となった。ラストゼッケン矢島選手にも私は抜かれることなく、結局津川選手の再出走を車検場で待つことになった。今回の再出走は次のクラスを走らせることなく3分間のインターバル(完全休止)をはさんだものだ。1本目にスピンをしてしまった津川選手は、スタートラインで3分もの静寂の間、なにを考えていたのだろう。10秒前からカウントダウンが始まり、雨の降りしきる中一人きりでスタートした津川選手。私も見に行かずにはいられず、ギャラリースタンドに走って見に行った。中間タイムは、ベストより0.1秒遅い!しかしさすがです。見事としか言いようのない後半の走りで、秒を変えてのブッチギリ、逆転優勝!どよめきと拍手、感動的な結末。私は多くの人が注目する黄色いシビックと入れ違いで車検場を後にしたのです。なんとも象徴的な光景ではなかろうか。津川選手、おめでとうございます。
(楽勝なんてありえない)
表彰式で津川選手が「自分の優勝をケン(N3田原選手)が喜んで涙ぐんだのをみてオレもつい・・・」といったのをきいて、はっとした。もし誰かが「楽勝ですね」などと声をかけたら「なにが楽勝だ!ふざけるな!!そんな甘いもんじゃねー!!!」と蹴っ飛ばされても文句が言えません。確かに強さと巧さと速さは別格に見えるが、走っているときはみんな同じで必死です。
N1クラスの大森選手がマーチで5位という大健闘を見せた。「もうあんな走りはできない。怖かったー」と興奮気味に話してくれたが、まさにみんなそう。失敗寸前ギリギリのところを走ってるのです。
(失敗とセッティング)
2本目の1コーナー立ち上がりでリアーがでて、蛇行しながらもカウンターとアクセルで立て直した。多分0.2秒ほど捨てただろう。私がカウンターを当てるのが遅かっただけか、アクセルを開けすぎただけ。結局は操作のミスなんです。確かにあの滑る路面で舵角が大きいと、FFでも時としてパワーオーバーが出る。そんなの当たり前のことでむしろセッティングにはなんら問題はないとさえ思っている。ところがこれをセッティングのせいにするととんでもない迷路にはまります。いじくってアンダーが強くなったり、トラクションがかからなかったり、進入で頭の入りが悪くなったり。あっちを立てればこっちが立たずのもぐらたたきね。ドライバーのミスを容認してくれるほどセッティングというのは寛大じゃない。めちゃくちゃな運転をやっても速い車なんか存在しない。まずはその車でミスしないこと。その上で、もうちょっとの性能を道具に要求するのが筋の通ったやり方だ。あっ、これは私流の考え方ですから真似しても損するかもよ(^O^)。第1戦の超ハイスピードハイグリップコースと、今回のWET低速ツルツルコース、確かにセッティングを変えました。前後のオーリンズをさらに1番戻しただけだけど・・・。
やっぱ真似しないほうがいいかもね。ははは。
(新兵器?導入)
今回サービスで大活躍してくれた田辺さんがパソコンと区間タイム解析ソフトSTARを用意してくれた。このSTAR、初めて使いましたがマジですごいね。ついつい、走りじゃなくてSTARそのものの面白さに没頭してしまった。いまさらながら、これはものすごく便利だし、勉強になります。皆さんもいかがですか?もう使ってる?エグゼスポーツ勢はこのハイテク導入で・・・。
ちなみに、STARだけじゃ速くなれませんしスターにもなれません。あしからず。お求めはこちら
(WT or WT2)
比べたわけではありません。私はWT2の8分山、エアー1.9s/cuで2本とも走りました。WTを選んだ人も結構いたようですが・・・。
(後輪駆動必見!)
全日本戦のウェットでのバトルはすごい見ごたえがあります。
特に後輪駆動は必見ですね。向きの変え方と前への出し方がとてもわかりやすく見ることが出来ます。今回ギャラリースタンドがコースのすぐ目の前だったから余計によくわかる。難しそうで、私には出来そうにありませんが。

 志賀野選手の正確さと、佐川選手の感性の鋭さには毎回驚かされますしとても勉強になります。それに加えて田辺さんの行き届いたサービス。ほんとうに心強い限りです。お疲れ様でした。
次回はキョウセイ。4人そろって表彰台狙いましょう。
応援いただいた皆様、心からありがとうございます。

追記:津川選手からの投稿
スタートラインでの3分間 投稿者:頭文字T  投稿日: 4月 5日(月)20時44分51秒

昨日はホントお疲れさまでした。
チョット照れるような参戦記、じっくり読ませて頂きました。ありがとうございます。
スタートラインでの3分間本音で書かせて頂きます。
考えた順番
@スピンした2コーナーを無事にクリアしたのに悔しい
 (再出走の時は、少し振られてしまった。それが前半の遅れかな?)
A2コーナーまでしか走っていないけど、タイヤ少しは暖まったかな〜
 再出走でスタートした時点で、全く効果がない事が分かってショック〜
Bおぉ〜注目の的だぁ〜
 さすがに緊張した。 でも逆に周りを見渡して、「俺の走りを見ろよ」
 と強気の姿勢でプレッシャーに俺は強いと言い聞かせた。
C絶対に攻めて走るゾ!
 マージンを持って完走すれば、表彰台はイケルと思ったけど、それで
 勝てるほど甘くない!  2本目まで散々だっただけに、悔いのない
 走りをすると、自分に言い聞かせる。
Dみんな見てろ!絶対にベストの走りをしてやる!!
です。
大会名称 日付 場所 天候 クラス 結果
全日本ジムカーナ
第2戦
2004年4月3〜4日 名阪スポーツランドC ウェット N2 4位