参戦記
 正直な話予選落ちした参戦記を書きたくないとも思ったが、この参戦記の目的は読んでいただいた方々に役立つ情報を提供したり、夢と希望を与えたり、励ましや勇気を与えられたらうれしいと思い創めたわけだから、書くべきであり、本来この手の失敗談からみんなのお役に立てれば本望だ。

(ひたすら反省)
 そもそもレースへの参戦は、今年が初めてで、右も左もわからない状態からスタートした。お客様のGA2をN1規定に合わせて製作したのは今年の2月。A級ライセンスを取得したのも2月。3月に行われたプレJoy耐(3時間耐久)に参戦し29台参加、決勝結果12位という初参戦の結果に満足していた。それから3ヶ月、都合でエンジンを載せ替え、足回りを一新し6月にちょっと走っただけ。本当は5月に1回走る予定だったが前日の夜、全くの僕の不注意で走らせることができなくなってしまった。6月のドライのタイムで何とかいけるだろうと、今思えば甘い考えでそれ以上の準備を何もすることなく本番を迎えた。そして無様にも予選落ちという最悪の事実を告げられたのである。意気消沈。僕もチーム員もこの結果には本当に落胆した。協力していただいた方々やみんなのご家族、日曜日応援に駆けつける予定だった方々、他チームの知人、お世話になった両隣のピットの方々に対し、顔を上げて話すことが拒まれた。予定外に参加することになった予選当日の夕方のコンソレーションレース(3時間耐久)への準備に追われた事がせめてもの救いだった。でも作業しながら、自分が犯した甘い考えとレースの難しさが頭から離れず手が休むたびにため息が漏れた。
 2分33秒6が出れば予選にぎりぎり通過したのに、我がGA2は2分34秒6で1秒足りなかった。でも、6月の練習も金曜日の練習も2分33秒台で走れたためしがなかったから、予選落ちは当然といえば当然、今回の予選自体に失敗はなかったし、ドライバーもベストな走りをしたと思っている。もっと事前に走りこんで、人も車も目標タイムをクリアーできるだけの準備をしてないから1秒差に泣いた。燃費に関しても、エンジンを交換した後のデータは取れずじまい。周りのチームに失笑されそうなお粗末ぶりである。
ご協力いただいた方々へ、大変申し訳ありませんでした。

(コンソレーションレース)
 予選に落ちた車両だけでやる3時間耐久レースに参加することになり、あわただしく準備に取りかかった。オイル交換やブレーキ交換、予定外でブレーキローターの交換、ガソリン抜き取り作業等々。監督は3時間のドライバー順や各周回数、給油タイミングの作戦を作り直した。こうやってスタート時間が迫るごとに、予選落ちの落胆という下降思考も、よーしこーなったら上位入賞だという上昇志向に切り替わっていった。なんとも単純。チーム員もだんだん士気が上がり、スタート前にはあたかも本戦さながらのテンションになっていた(僕だけ?)。これは周りの分け隔てない配慮によるものが大きい。準備中にモテギのメディアの方が取材に来るは、車検もオフィシャルも本戦と全く同じで厳格公正、決勝進出決定組みからは励ましの言葉をかけてもらい、スーターティンググリッドに並んだときは1チームずつオーロラビジョンと放送で紹介された。盛り上がらないわけがない。おかげで真剣に最高に楽しめた。結果は34台中総合6位。日没とほぼ同時のチェッカーフラッグに向かい、ライトをつけてホームストレートを疾走するGA2に僕はピットロードからガッツポーズを送った。チーム員と握手を交わしながら、例によってまた目頭が熱くなった。でも、今回は僕より監督の方が泣いていたかな。

(落胆と歓喜)
 我がチームの隣のピットはジムカーナでもおなじみ、ダンパーシステムズさんが加わったチームのピットだった。こちらは我がチームとは雲泥の差で、あたかもプロ集団。参加人数18名(我々は7名)、ピットの壁には巨大なチームボードを貼り付け、車をジャッキアップするメンテナンススペースには赤い絨毯!両側には所狭しとツールキャビネットと棚が整然と置かれていた。土曜日は我々が撤収するまでドライバー交換とタイヤ交換の練習をしていた。もちろん車も半端じゃない。(*注意)EK9、258ps、790kg、リッターあたり5kmも走ってタイムは2分15秒!!!こんな最高のチームの隣で参加できたことに萎縮もするが、勉強にもなった。チーム員全員のベクトルが半端なく高く、同じ方向を向いていて見ていて関心ばかりしていた。また、とても親切でいろいろ気を使ってくれて感謝している。土曜日に帰るとき、「僕たちは明日は走りませんが、応援しています。優勝したら自分のことのように喜びまからねー!」と声をかけてサーキットをあとにした。
 予想通り、本戦はこのチームがトップを快走。このまま行けば間違いなく優勝だったが2時間56分、64周でリタイヤとなった。想像を超える落胆だったと思う。僕の知人のレビンも金曜日の公開練習でエンジンを壊し予選前にリタイヤ。山野さん率いるチームのEKも決勝途中でエンジン不調で他のEKからエンジンを拝借して決勝中に載せ替えラスト1時間を走った。1位でチェッカーを受けたホンダFitは再車検で車両規則違反で失格。去年の覇者EG6が連覇防衛を果たした。チェッカーまであと100mというところで、ガソリンもバッテリーも尽きて完走できなかったチーム。底知れない努力と落胆と歓喜が入り乱れる年に1度のビッグイベント。これに参加できただけでも幸せなのである。

皆さん、お疲れ様でした。機会がありましたらまた挑戦したいですね。そのときはまたよろしくお願いいたします。

(*注意)EK9スペックは当該チームホームページに公開されているデータであり、予選及び本戦での実際のスペックではありません。2003年7月20日
大会名称 日付 場所 天候 クラス 結果
2003モテギJoy耐予選 2003年7月12日 ツインリンクモテギ
ロードコース
セミWET
ドライ
A1 クラス9位
予選落
2003モテギJoy耐
コンソレーションレース(3H)
2003年7月12日 ツインリンクモテギ
ロードコース
ドライ A1 クラス1位
総合6位