参戦記
 4連勝中の関東戦でついに土が付いた。とても悔しい。5連勝できずに悔しがるのは贅沢だと言われそうだが、正直悔しいのだからし方がない。やせ我慢して2位だから満足しているなどとはとてもいえないのである。昨年追い始めたJAF関東戦の第2戦でまぐれのような2位をとったときは本当にうれしく気持ちがはしゃいだが、今は見る影もない。当然のことだが、人間は欲深くできていると思う。それともまだ人間ができていないのかな?

(真夏の珍事)
僕がジムカーナにはじめて参加したのが18年前、以来公式戦でミスコースを犯したのは2回ほどしかない。正確な数字は記憶にないが、それほど少ないのである。そして今回が(多分)3回目。
1本目、最終コーナーを立ち上がり、ゴール前のパイロンシケインを逆から進入してしまったのである。時間をさかのぼり反省すれば、最終コーナーでインベタで立ち上がるつもりが、進入でアンダーを出し、大きくラインを外したのである。その位置からのパイロンの見え方が想定外だったため、パイロン直前で頭の中は?マークに占領された。もっと以前にさかのぼれば、慣熟歩行のときこのパイロンシケインは比較的ゆるかったので軽視していたのかもしれない。走行前のイメージトレーニングもやらなかったかもしれない。だとすれば走行に集中しなかったのではなくイベントそのものに集中していなかったのではないか?
恥ずかしい話、慢心が薄いメッキを剥がした瞬間である。

(命への危機感)
珍事はそれだけではない、2本目は前走者の車両トラブルによりこれまた珍しく赤旗再出走。僕は一旦出走待機の場所まで戻った。そのときである。アナウンサーの絶叫と共に観客のどよめき、パドックからコース側に駆け寄るエントラント。僕の次のN3クラスファーストゼッケンMR2が第3コーナーでコースアウトしたのである。僕もすぐに車を降りてコースを見たが、その破損状況が尋常ではない。屋根がずべて潰れてしまい、ドアーの高さまでしかないのである。当然みんなが運転手の安否を心配した。幸い?運転手は怪我ですんだが、まかり間違えば重態や死亡さえ考えられる状況だった。聞いた話、車両トラブルにより減速することができないまま約100km/hでコースアウトして土手を駆け上がり空中で何回転かした後屋根から着地したそうだ。パドックに戻ってきたドライバーの顔は硬直し鬱血しているように見えた。目のすぐ内側に若干の出血もあった。
18年間ジムカーナを楽しみ、見て来て今回ほどの大事故を初めて目の当たりにした。ハイスピード化とハイグリップ化ががどんどん進み気がつかないうちに危険な競技になってきているのだと実感した。前日のN1クラス横転事故や、モテギオーバル練習のMR2大破もしかり。
何よりドライバーが責任を持って認識することが大切だ。ジムカーナといえども取り返しの付かない事故はおきるのである。
直後に僕は再出走した。気持ちはリセットできたつもりなので結果に与えた影響はない。

(佐藤選手の復活)
今回、N2クラスで優勝したのは佐藤選手。去年までEG6で僕と同じJAF関東戦のA2クラスにエントリーしていたライバルだ。また彼は、全日本でやはり僕と同じクラスの矢島選手のサービスサポートでもおなじみだ。麦藁帽子がトレードマークの彼がクラスファーストゼッケンで1本目に優勝タイムをたたき出した。僕は彼の走りを見た後出走準備に取り掛かったのだが、実にすばらしい走りで正直「抜かせないかもしれない」と思った。1本目に彼の中間タイムの0.2秒落ちでゴール前MC。MCしなくても僕の後半の走りでは到底追いつかないと確信している。そんな焦りが2本目下りのS字でタコ踊りとなり、佐藤選手は両手を挙げた。実は彼は去年のJAF戦、この伊那で2番手タイムを出したにもかかわらず、全く悪気のないミスにより失格となってしまったのである。とても落胆していたし気の毒すぎて声もかけられなかった。今回会場で彼と彼のDC2を初めて見たとき、「おっ、リベンジですね」と声をかけた。ちょっと配慮に欠ける発言かなとも思ったが、彼は好きな伊那に参戦したかったことを話してくれた。
そして見事な結果をたたき出し、僕は完敗した。握手しながら僕に勝てたことをとても喜んでくれた。来週の全日本はエントリーしないでサービスで来るそうだが、僕は彼の分までがんばらなければならないと思った。僕が来週よい結果を残せれば、今日の彼の勝利にまた一つ花を添えられる。

 今年の好成績のおかげなのか、こんな僕でもイベント会場でたくさんの人とお話できる機会が増えた。前日の会食もしかり、全日本トップドライバーや他のショップのオーナー様、ジムカーナBIGサイトの管理人さんとも言葉を交わすようになった。このようになると、よりいっそう楽しさに拍車がかかるものである。
次回モテギ北ショートは好きなコースだ。好きということは得意とも取れる?いやいや好きなだけです。
大会名称 日付 場所 天候 クラス 結果
JAF関東ジムカーナ
第7戦
2003年7月3日 RK伊那 ドライ N2 2位